こそだてドクターのおはなし

【ダウン症候群】お子さんと家族が、自分らしく幸せに暮らすために|成長のきろくとヒント

公開日:2026/03/31

監修:小児一般、小児救急・野田 慶太先生

ダウン症候群とは

ダウン症候群は、遺伝子の情報が入っている「染色体」の数の違いによって起こる、生まれつきの特徴のことです。
私たちは通常、23種類が2本ずつ(合計46本)の染色体を持っていますが、ダウン症候群のお子さんのほとんどは、21番目の染色体が3本あります。このため、「21トリソミー」とも呼ばれます。
この染色体の違いが、お子さんの体の様々な発達や特徴に影響を与えます。

主な特徴と成長について

ダウン症候群のお子さんは、以下のような特徴を持つことが多いです。
・身体的特徴:つり上がった目元、鼻が低い、耳が小さい、手のひらに一本のしわがあるなど、特徴的な顔立ちや体つきを認めます。
・発達のペース:歩き始めや言葉を覚え始めるのが、ゆっくりになることが多いです。
しかし、これは「できない」ということではなく、「その子のペースで発達していく」ということです。
・知的な発達:知的発達に遅れが見られることが多いですが、その程度には個人差があり、得意なこと、苦手なことは様々です。

合併しやすい病気と医療との付き合い方

ダウン症候群のお子さんは、いくつかの病気を合併しやすいことが知られています。早期に発見して適切なケアを始めることで、健康な生活を送ることができます。
・心臓の病気(先天性心疾患):約半数のお子さんに心臓の病気が見られます。多くは生まれてすぐに見つかり、必要に応じて治療が行われます。
・消化器の病気:食道や十二指腸が狭くなっているなど、消化器系の合併症を持つお子さんもいます。
・耳鼻咽喉科の病気:中耳炎になりやすかったり、難聴を合併しやすかったりするため、定期的な耳鼻咽喉科の診察が大切です。
・甲状腺の病気:甲状腺の働きが低下する病気(甲状腺機能低下症)を合併しやすく、定期的な血液検査でチェックします。

これらの病気を早期に見つけるため、ダウン症候群と診断されたら、定期的な健診と検査のスケジュールを、私たち小児科医や専門の医師と一緒に立てていくことが非常に重要です。

家族と社会のサポート

ダウン症候群のお子さんが、自分らしく幸せに成長するために最も大切なのは、ご家族のサポートと、社会の理解とサポートです。

『焦らず、その子のペースを大切に』

「うちの子はいつ歩けるようになるの?」「いつ話せるようになるの?」と、周りの子と比べて焦る必要はありません。ダウン症候群のお子さんは、ゆっくりと時間をかけて、確実に成長していきます。
・早期からの支援:体の使い方や言葉の発達を促すために、理学療法(リハビリ)や言語聴覚療法などを早期から始めることが大切です。
・社会とのつながり:ダウン症候群を持つお子さんの親御さんの会や、支援団体は全国にあります。不安を共有したり、経験者からアドバイスをもらったりするために、ぜひ積極的に参加してみてください。

最後に

ダウン症候群は、その子の「個性」の一つです。私たち医療者も、地域の支援者も、そして社会全体が、お子さんの持つ無限の可能性を信じ、温かい目で見守り、サポートしていくことが大切だと考えています。